毛利元就の菩提寺

待って!

「チーン、ドーン、ジャーン」。ひつぎの後をお坊様が先頭で鈴の音。2番目に組内の一人が左手に持った太鼓をドーン。3番目に他の一人がシンバルをジャーン。それを繰り返して出棺された。高齢であったが、とても元気で暮らしておられた隣のおばさんの急逝を、こうして見送った。
 職場の中国研修生に習いたる中国語「ツイントン、イーシャン」をチン、トン、シャンと覚えていた。「待ってください」との意。「おばさん行かないで、待って!」。チーン、ドーン、ジャーンの音が日ごとに心にしみる。毎日新聞 はがき随筆より転載